2ntブログ
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アマルコルドで私がやってみたいことのひとつに「キャンドルナイト」があります。
電気の照明は全部消して、蝋燭の明かりだけでお酒を楽しむひとときを作り上げてみたい。
テーブルに10本も並べれば、いつもよりは暗いけど、お酒を飲むには十分な明るさにはなるでしょう。
せっかくフランスより「生ける古典文学」アブサンもやってきてくれたことだし。

去年の秋に「蝋燭能」なるものを鑑賞してから、蝋燭、というか火の明かりにハマりました。
蝋燭能とは呼んで字の如く、蝋燭の明かりだけで行われる能です。
演目は「葵上」という、源氏物語を題材にしたもの。光源氏の正妻・葵上に、六条御息所という光源氏に思いを寄せる女性が嫉妬するのですが、高貴な出自であるという自負が邪魔をして感情をうまく表に出せないでいるうちに、御息所は我知らず生霊になってしまいます。
御息所の生霊パワーで病の床に追い詰められた葵上。
その葵上を御息所は般若の姿に化身してさらにフルボッコ。

女の嫉妬が…などという論はさておきますが、これ、蝋燭の明かりで見るとマジで怖かったです。
蝋燭の明かりが揺らめいて、絶えず陰影の形が変化するせいか、面が本物の人間の皮膚のごとく息づいているように見える。

しかも、この「明かりが揺らめく」という点にはもうひとつ罠が。普段よりは全っ然暗い上に、ちらちらと小刻みに動くので、対象となる何かをじっと見ていると、神経が変に張りつめるんですよ。そういう状況だと、集中力もはね上がって、対象の一挙手一投足に対してものすごく敏感になる。
そっかー、昔の人はこんなふうにものを見ていたのかー。見るというより、感じるといったほうが、もしかしたら近いかもしれない。
演目が終わって外に出た時、蝋燭の火でじっとものを見ていた時間の濃密さに比べると、明るいところでものを見ることはなんて「薄い」のだろうと思いました。「葵上」という演目自体はそれまで確か2回見ていたけど、こんな「葵上」は初めてでした。

蝋燭の照明はSMプレイでもよく使いましたが、「見る」ことだけに完全に特化して意識したのはこれが初めてだったので、新鮮だったなー。

と、めちゃくちゃ前置きが長くなりましたが、キャンドルナイト実施にあたっては、換気という問題を避けて通ることはできません(笑)
なので20分おきに換気~、とか、ちょっと風情のないことになりそうですが、いずれあまり暑くならないうちにやりたいです。そしたらみんな仮面着用で来たらいいよ。平日の夜にこっそりそんなことやってるっていうのがね、いいじゃないですか。イェイイェイ。


まい

2010.03.01 


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